Wednesday, January 26, 2011

英語の読めないところ 


 今、Philip Roth"Portnoy's Complaint"という小説を読んでるんですが、難しくて難しくて、全然進みません。
まったく分からないところを含む箇所を引用するので、ご教示くださったら幸いです。引用箇所は、ガラッと話題が変わるところで、前の部分とのつながりはありません。文中「私」はAlex、ユダヤ系アメリカ人です。13歳の頃を回顧して書いていますが、基本的に現在形を遣っています。いわゆる「マザコン」、母の愛は過剰で、私の人格形成にも影響を与えてきたようです。父は勤勉だが恵まれない保険の営業マン。ひどい便秘に苦しんでいます。(ここで頭痛ということばがでてきますが、この小説の中で初めて出てくることばです) ちなみに、God forbid that...は、「神様どうか...でありませんように!」ということ。原型不定詞が使われてるのがミソです。以下引用。赤の太文字のところがよく分からないです。アイディアや考え方を教えてくださったら嬉しいです。


I brace myself now for the whispering. I can spot the whispering coming a mile away. We are about to discuss my father's headaches.
"Alex, he didn't have a headache on him today that he could hardly see straight from it?" She checks, is he out of earshot? God forbid he should hear how critical his condition is, he might claim exaggeration. "He's not going next week for a test for a tumor?"
"He is?"
" 'Bring him in,' the doctor said, 'I'm going to give him a test for a tumor.' "
  Success. I am crying. There is no good reason for me to be crying, but in this household everybody tries to get a good cry in at least once a day. My father, you must understand- as doubtless you do: blackmailers account for a substantial part of the human community, and, I would imagine, of your clientele- my father has been "going" for this tumor test for nearly as long as I can remember. Why his head aches him all the time is, of course, because he is constipated all the time- why he is constipated is because ownership of his intestinal tract is in the hands of the firm of Worry, Fear & Frustration. It is true that a doctor once said to my mother that he would give her husband a test for a tumor- if that would make her happy, is I believe the way that he worded it; he suggested that it would be cheaper, however, and probably more effective for the man to invest in an enema bag. Yet, that I know all this to be so, does not make it any less heartbreaking to imagine my father's skull splitting open from a malignancy.

8 comments:

リリー said...

he might claim exaggerationの部分は、「彼は(そんなものは)大げさだと主張するかもしれない」ということではないでしょうか。

もう少し著者の書き方の癖が分かる程度の分量の文章があるとよいのですが、そんなにたくさん引用できませんね…。

ちなみに余談ですが、一般的なプロの翻訳家は、最初はほぼ辞書を使わずに意味が分からないところはなんとなく通過したまま通読します。辞書を使うのは二度目からです。後の部分を読めば最初は理解不能だった部分がすっきり理解できたという経験、きっとあると思います。プロでも同じなのです。というか、日本語の文学作品でもきっと同じでしょう。

Taku said...

ありがとう!

神様、彼が大げさだなんて言いませんように…ってことやね。ひとつ解決なり。赤を消しておこう。

うん、時間が経つとふっとわかるという経験はよくある。おれは辞書フェチなのもあるのか、辞書を引きすぎてしまう。これは、自分でもよく分かってることやねんけど、なかなか改められない習慣なんだよな…そして、これは日本語を読むときも同じで、僕の電子辞書の単語帳には、英語より日本語の方がたくさん登録されているくらいです。

辞書をひくバランスは難しいです。

fukushi said...

拓ちゃん、こちらにも来てみました。

Rossの小説は2つほど読んだけど、これは回想であるせいか、意識がいろんな方向に飛んでしまって、僕が読んだ2つよりも、状況をイメージするのが難しいね。

それと、すごい口語的で、意味がとりにくい。また、会話が地の文に吸収されているところが多々あるのもわかりにく。。。

fukushi said...

さて、もう話題になっているとこだけど、God forbid that ...のところは、
「…なんてとんでもない/断じて…でない」という意味のように思う。

だから、「俺(=my father)がじぶんの状況がどれほどひどいかなんて断じて聞くはずない」となり、それを目的語としてhe might claim exaggerationが受け、

「と、彼(=my father)は大げさに言うかもしれないわ」となるように思うんだけど、どうだろう??

Taku said...

とりあえず、an enema bagは解決。これはググったらよかったね。こんなん見たことないわ(笑)。

http://bit.ly/idC4Be

Taku said...

To fukushiくん

コメントありがとうー!!

God forbid that...というのは、ブログ本文でも書いているように、「神様どうか...でありませんように」っていう意味やねん。以下はOALDの記述

http://www.oxfordadvancedlearnersdictionary.com/dictionary/forbid

that節の部分をなんとかして~(泣)。

いいめえる said...

ツイッターのメッセージありがとうございました。
これから出かけなければいけないので
ざっと読んだ感じだけですが、
とりあえず、以下のような印象を持ちました。

a headache that he could hardly see straight from it?
「それから彼が直接見ることがほとんどできない頭痛」
→「原因がよくわからない頭痛」

He isはHe is gone for a test for a tumorで
「(来週ではなく)いま腫瘍検査を受けるためにいなくなる」

a substantial part of your clientele
「(一般的に)患者の重要箇所」
=「父の重要箇所」


my father has been "going" for this tumor test
「父はこの腫瘍検査でずっといなくなっている」
(←話し声が聞こえないところに行ってしまっている)

Taku said...

お忙しいところこめんとありがとうございます。いただいたコメントを読んで、はっとしました。

ここでのsee というのは、regard in a specified wayですね。また、straight=clearly (think/see clearlyというコロケーションを確認しました)また、ここでのfromは、

・mothers who are exhausted from all the sleepless nights
・a patient suffering from stomach pains
(LDOCE:fromの項より)

のような原因を表しているfromですね。目から鱗です。ありがとうございます。

a substantial part of your clienteleのくだり、僕はyouを、読者や人一般を表すyouととっていたために混乱しました。(実際、医者は人格のあるキャラクターとしてはまだこの小説に登場していません)ここで、youを医師ととるとすっきり理解できるのですが、僕は、ごく普通に、「恐喝をするような奴は、人間社会にいっぱいいます。そして、おそらく先生の患者さんの中にもいると思います」というように解釈しました。

ただ、この小説は、まるで和歌の掛詞のように、ひとつの単語に2つの意味を持たせることば遊びのような文章も結構あるんです。a substantial partを腫瘍ととるということは、たとえば、Blackmailers are the "cancer" of our society. という意味を持たせているという解釈ですね?なるほど、かなり見えてきました。

本当にありがとうございます。すごく勉強になりました。