Thursday, January 27, 2011


Kill Bill Vol. 1 映画評


先ほどVol. 1を観終わったばかりですが、『キル・ビル』は、人気があったからVol. 2が作られたわけではなく、初めからVol. 2で内容が完結するよう意図されています。だから、Vol. 1は物語の途中で終わってしまうので注意が必要です。

さらに、注意が必要なのが、これは主に日本刀を使った復讐劇で、かなり血が流れます。腕とか足とか頭とかがバサバサ切り落とされます。だから、そういうのが嫌いな人は、気分が悪くなるだけだと思います。

Vol. 1
は主に東京が舞台です。日本のサブカルチャーをこよなく愛するタランティーノ監督の、いつもの悪ふざけ(ほとんど悪趣味と言ってもいいかもしれないけれど)を楽しむことができました。ドラマと時代劇と品の悪いギャグ漫画が混ざったような、「悪いんだけど面白い。そして、ときどき笑っちゃうよ」という感じ。絶賛して誰もに薦めるわけにはいかないけれど。

たとえば復讐相手に迫るために、主人公ユマ・サーマンが相手の手下を次々と日本刀で切りつけていくシーン。日本の時代劇と同じく、大人数をひとりでザックザックと片付けていきます。(日本の時代劇と違うのは、腕だとか足だとか首だとかがほんとに切り落ちて、血がブシューって噴き出すところ) で、手下を全部やっつける。彼女の眼下では、彼女に日本刀で切られた男たちが何十人も、苦悶してうごめいてる。ところどころに腕とか足とかが転がってる。いよいよ最後の決闘が始まろうかという、緊迫するはずの場面。ここで、ユマ・サーマンは、ほとんど覚えたてのたどたどしい日本語で、「まだ、命があるもの、それは持って帰るがいいっ!ただし、失くした手足は、置いてって、もらうよ!これはもう、私のもんだ」って宣言。笑っちゃいけないところで笑っちゃいました。

さらに、あとで、Wikipediaを調べてみて知ったけれど、作中、"Pussy Wagon"という名前の車が出てきます。日本語にすると「おんこ車」といったところで、何でこんな名前が与えられてるのか全然分からないのですが、さらに何とこれがタランティーノ監督の私物らしい

他にも、飛行機の中に日本刀を平然と持ち込んでたり、ちょっとした悪ふざけはいっぱいあります。ステレオタイプとしての日本像をコミカルに利用しながらも、日本の任侠劇に出てきそうな本格的なやくざも出てきてうぅぅん、やっぱり、タランティーノ・ワールドです。

作中、アニメーションを使った部分があります。このアイディアは斬新。このアニメーションは実写以上に「グロい」んですが、残酷なシーンを生々しく描くのに、アニメーションもまたすぐれた手段なんだなぁと納得。アニメーションでしか描けないこともあるし。

近いうちにVol. 2も観ます。まだ物語は終わっていないから。



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